日本の次期主力戦闘機の最有力候補の一つである最新鋭ステルス戦闘機「
F22」を巡り、米下院は30日午後の本会議で、追加調達を認めないこ
とを決めた。2010会計年度国防予算歳出法案にあった12機分の追加
調達費の初期費用3億6900万ドルの使途を変更し、追加調達を認めな
い内容の修正案を可決したものだ。上院に続き下院もオバマ政権のF22
調達打ち切り方針を受け入れたことで、F22の生産は11年末で終わる
ことが確定した。米国では今後、F22の生産ラインをF35用に切り替
えるなどの動きが加速すると見られ、日本のF22取得は絶望的となった。
ただ、上下両院で審議中の2010会計年度国防予算権限法案にはF22
の「輸出型」の研究を国防総省に求める条項が残っており、日本政府は同
省から議会に提出される報告書の内容を見極めたうえで、調達を断念する
かどうか最終判断する。

 

我が国にとって次期主力戦闘機の選定は、白紙に戻ったと言って良いだろ
う。F22の調達が打ち切りとなり、米欧共同開発のF35導入を目指す
こととなりそうだ。だが、各国が共同開発した機体だけに、それらの国々
に優先配備されるのは間違い無く、我が国が大金を積もうとも、そう簡単
には導入は出来ないのが現実だ。上下両院で審議中の2010会計年度国
防予算権限法案にはF22の「輸出型」の研究を国防総省に求める条項が
残っているとは言え、望みは薄いのではないか。さらに怖いのが、東アジ
アの周辺各国の軍事費が増えている中、我が国で政権交代が起きた際に、
友愛外交を掲げる鳩山政権が防衛費の削減に手を付けかねない。そうなる
と次期主力戦闘機の導入どころか「つなぎ」のための現行機の改良も滞る
ことになるだろう。民主党マニフェストの項目には外交の文字はあった
が防衛の項目が見当たらなかった。その点は大いに気になるところだ。