中国当局が海外の航空会社に対し、空港内の国際線ラウンジでの乗客向け
外国紙提供サービスを禁じたことが1日、明らかになった。一方、中国共
産党機関紙「人民日報」はこの日、チベット自治区チベット族居住区で
チベット語版の発行を開始。中国当局は10月の建国60周年を控え、ウ
イグルやチベットなど少数民族の問題を取り上げる外国メディアへの反発
を鮮明にしつつ、国内では政府の宣伝と愛国教育を強化する方針のようだ。
「空の玄関口」で外国紙提供サービスを禁止するのは、ウイグル人亡命組
織「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長の訪日など、ウイグル
問題に関する報道への反発が背景にあるとみられる。

 

徹底的なメディア統制を行うことで、中国共産党への批判を防ぐとともに
中国で活動をする外国メディアも牽制する。中国のいつものやり方だと言
ってしまえばそれまでなのだが、今回のラウンジでの外国紙の提供禁止理
由や禁止期間については説明されていない。おそらく、これに対して説明
が行われることはないであろうし、禁止期間も適時判断されることだろう。
批判を一切許さない姿勢には、やはり民主主義国家とは相容れないものが
あるのではないか。ここまで統制を強めるのは、それだけメディアの力を
理解して脅威と思っているためだ。海外の航空会社の乗客向けサービスす
ら押さえ込もうとするのだから、その徹底振りは寒気すら憶える。中国が
チベットウイグルと言った少数民族自治区を抱える以上、今回のよう
な封じ込め策は続くことであろう。