NHKと民放でつくる放送倫理・番組向上機構の放送人権委員会は7日、
TBSの情報バラエティー番組「サンデージャポン」が昨年10月、大阪
門真市の保育園の畑が道路建設のため行政代執行で強制収用された際、
園児らを現場に並ばせたとした放送について、視聴者に誤解を与え、申立
人の社会的評価を低下させたのは重大な放送倫理違反とし、委員会決定の
趣旨を放送し、再発防止に配慮するよう同局に勧告した。ただ、名誉棄損
は「疑いが強いが、断定しない」とした。

 

番組代執行の前日に撮影した園児の映像を挟み込んで放送しており、勧告
は「事実の報道をしている自覚の希薄さなど、番組制作の基本的問題に起
因している。11月の訂正放送も不十分」と完全なるダメ出しをされた格
好となったTBS。日本テレビの「バンキシャ」では基本中の基本である
裏付け取材をせずに、情報提供者の誤った証言を垂れ流し、日本テレビ
社長は辞任に追い込まれた。不祥事が立て続けに起きている我が国のテレ
ビ業界だが、その体質が改善されるきっかけは何度もあったはずだが、何
ら自浄作用が働くことなく、今まで続けてきてしまった。今回の勧告にし
ても、TBSが番組制作に対する姿勢を変えない限り、あくまでその場限
りで済まされてしまう話になるだろう。