民主党は7日、衆院選マニフェストで「米国との自由貿易協定を締結する」
としていた部分を、「FTA交渉を促進する」との表現に改めることを決
めた。自民党や農業関係者から「農家が壊滅的打撃を受ける」と批判され
たことを受け、軌道修正した。菅直人代表代行が同日の記者会見で明らか
にした。修正後の公約では、交渉を進める際は「食の安全・安定供給、食
自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わない」と
の文言も追加し、農家への配慮を鮮明にした。アジア諸国などとのFTA
交渉に関しても、同様の表現を加えた。

 

橋下知事マニフェストを酷評されれば、安易に修整を加え、そして今回
も農業団体の批判を受けて、あっさりと米国とのFTA締結を翻した。こ
れでは批判や圧力をかけられるたびに、修整が加えられることとなり、当
初発表していたマニフェストとは、随分と変わったものとなってしまうだ
ろう。政権奪取だけを目的にしているだけあって、受けの良い言葉だけを
詰め込もうとする腹積もりなのか。そんないい加減なマニフェストを実行
されたところで、結局はそのツケは国民に返ってくるのだ。FTA締結の
方針を改めたのは、民主党が大半を押さえている北海道の選挙区事情もあ
ったことであろう。声の大きな方に甘い顔をする、そんな民主党のボロが
早くも出始めている。米国とFTA締結すると言うことは、農・畜産産物
を対象とすることは避けられず、締結を事実上諦めたことを意味するので
はないか。正式なマニフェストがどうなるか、注目したい。