鳩山政権発足前日の15日夜、組閣とは無縁な公明党の幹部の間に衝撃が
走った。新代表の山口氏がBSフジの番組で、今後の衆院選挙区への対応
について「撤退も選択肢としてありうる」と語ったからだ。幹部からは「
今なぜそんなことを言うのか」と不満が飛び出し、山口氏は16日の両院
議員総会で「真意ではなかった」と釈明するはめになった。支持母体の創
価学会幹部からも「党も組織も自公連立の功罪を評価し終えていない。舵
を急に切りすぎているのでないか」との苦言もあがっている。山口氏は今
月8日の代表就任直後から「自民党との関係に清算をはかっているのでは
ないか」とも受け止められる発言を続けてきた。

 

長きに渡った自公政権は、政権交代と言う風の前に吹き飛び、ついに下野
するに至った。野党連立など有り得ないように、すでに公明党は独自の動
きを見せ始めている。すでに山口代表は「自民党との選挙協力自体はそう
あってしかるべき、というものではない」とも語っており、最強の集票マ
シンである創価学会は、これまでのように自民党選挙協力を通じて得て
いた小選挙区に一定数あると言われる学会票を失う。だが、考えてみれば
自民党はようやく公明党と距離を置くことが出来る、その大義名分を手に
したのではなかろうか。政権与党にあっても、なお学会に対するアレルギ
ーは強く、むしろ強まったと言っても良いだろう。公明党と連立を組んだ
ことで離れた旧来の自民党支持層は、不本意ながらも民主党へと流れてい
ったであろう。もちろん、下野した自民党を積極的に支持する団体は少な
いはずだが、学会頼みの体質改善の良いきっかけとすべきだ。