IOCは現地時間2日、コペンハーゲンで総会を開き、3回目の投票で過
半数を獲得したリオデジャネイロを2016年のオリンピック開催地に決
定した。東京は2回目の投票で最下位となり落選したが、市場では「リオ
特需」を期待する声もある。鳩山由紀夫首相はコペンハーゲンから東京に
戻る政府専用機内で落選の報を聞き、「日本政府として東京開催を全面的
に支援する立場から環境を重視したオリンピックであることを訴えた。東
京チームはベストを尽くしたと思うし、新しいコンセプトの下での東京開
催の魅力をアピールした。しかしながら結果として東京での開催が実現し
なかったことは大変残念」との談話を発表した。

 

2016年の夏季五輪は南米発の五輪と言う大義を掲げたリオデジャネイ
ロに決定した。東京は環境キーワードに打ち出したものの、IOCの委員
には届かなかったようだ。通信社の行ったオンライン調査結果では、東京
での五輪開催に賛成47%、反対35%、どちらでもよい17%と賛成が
半数を割り込んでおり、肝心の東京都民が五輪を歓迎している雰囲気では
無かったことも影響したかもしれない。五輪をきっかけに景気を盛り上げ
ようとの向きもあっただろうが、果たして五輪を開催している場合なのか、
それが反対の雰囲気を作ったと思われる。今後も招致活動に挑戦していく
かは、微妙なところではないか。名古屋、大阪、そして東京が落選したこ
とで、3連敗となっている。さらに夏季・冬季五輪を計3回も開催してい
るのだから、ICO内でも新興国に譲れとの空気が充満している。つまり
この空気を吹き飛ばすには、並大抵の努力では難しいのだ。