鳩山由紀夫首相の資金管理団体政治資金収支報告書虚偽記載に関する東
京地検特捜部の参考人聴取開始について、平野博文官房長官は5日午前の
記者会見で、「首相が説明することによって調べに影響が出ることになり
かねない」と述べた。首相は捜査結果が出るまでの間、さらなる説明を控
えたいのではないかとの見方を示したものだ。そのうえで、平野氏は、「
首相は知りうる関係は国民に詳細な説明をしてきた」と述べ、首相が説明
責任を果たしてきたとの考えを強調した。地検への告発対象者に首相本人
も含まれることには、「地検の判断であり、コメントは差し控えたい」と
述べるにとどめた。自民党が「故人献金」として今月下旬に召集予定の臨
時国会で追及する構えをみせていることについては、平野氏は「会期の決
定などに与える影響はない」とし、「国民に約束してきたことを実行して
いくため、臨時国会で何をしなければならないかということが、まずある
べきことだ」と述べた。

 

いわゆる鳩山首相の「故人献金」問題は、衆院選前に発覚したことにより、
一時捜査がストップしていたものの、ここにきて新たな展開を見せ始めて
いる。献金が虚偽記載だったとして、資金管理団体政治資金収支報告書
から削除された「寄付者」約90人のうち10人が、「実際は献金してい
る」と証言していると言うのだ。何故削除してしまったのか、調査そのも
のが極めて杜撰であったと言わざるを得ない。中には初当選以来、毎年献
金しているという男性もおり、男性は「不可解というより、失礼だ」と憤
っているようだ。収支報告書に寄付者個人の氏名記載が不要な5万円以下
の「匿名献金」についても2005〜2008年で1億3099万750
0円を数え、麻生太郎前首相の「素淮会」95万円、小沢一郎民主党幹事
長の「陸山会」461万2000円と比べても、突出ぶりが際立っている。
捜査結果が出るまでは、だんまりを決め込むようだが、自民党が反撃の一
手として、この問題には切り込んでくることだろう。自民党はすでに決定
的な証拠を掴んでいる可能性もあり、臨時国会は紛糾しそうな勢いである。