政府が赤字国債を増発する方針を固めたことを受けて、大阪府橋下徹
事は6日、「民主党政権の根幹を揺るがすような方針転換だ」と批判し「
金が足りないなら赤字国債ではなく、増税議論を進めないといけない」と
の見解を示した。橋下知事は「増税はないと言いながら、赤字国債を発行
するのは大衆迎合だ」とし、「赤字国債を発行すれば、大うそつきになる」
民主党を批判。そのうえで、これまでは民主党政権に全面的に協力する
考えがあったとしながらも、「赤字国債を発行するのであれば協力は考え
られない」との意向を示した。また、橋下知事有権者民主党政権に求
めているのは改革路線と強調し、赤字国債の増発に踏み切れば「有権者
一気に離れる」と指摘。「民主党は政権を取って勘違いしている。非常に
残念だ」と述べた。

 

橋下知事の発言は平野官房長官が景気後退を受けて、税収が減った分を赤
国債発行でまかなう可能性について「景気が悪いことは承知しており、
税収がどういう状態になるか見極めた上で判断する」とし否定しなかった、
このことに対する批判であろう。中田前横浜市長らと結成した首長連合は、
総選挙前に各党のマニフェストを評価した上で、民主党を支持すると発表
した以上、政権交代実現後の政権運営が気になって仕方ないのではないか。
来年の参院選を睨んでのことだろうが、4年間は消費税を上げないと鳩山
首相が明言したことで、民主党の掲げた看板政策を実現するための財源が
不足すれば、すなわち赤字国債発行で賄うか、それとも看板政策を撤回す
るか。来年の参院選を考えれば、政策の撤回は小沢幹事長が許すわけがな
い。公約した政策の実現には税金の無駄遣いを削減した分を充当するつも
りが、当てが外れてしまったのが本音であろう。また、景気後退の影響は
それだけ大きかった、と言うことかもしれない。