参院統一補欠選挙は25日投開票され、神奈川はエコノミストの金子洋一
氏、静岡は医師の土田博和氏の民主党2新人が自民党候補らを破り初当選
した。政権交代後初の国政選挙は「民主2勝」となり、民主党の勢いが衰
えていないことを裏付けた。民主党は会派として参院過半数まで1議席
迫り、来夏の参院選で目指す単独過半数にも前進した。両補選勝利で民主
党の参院議員は115人となり、民主党単独での過半数122獲得まであ
と7議席と迫る。また、民主党系会派「民主党・新緑風会・国民新・日本」
議席数120で、江田五月議長を除く採決時の過半数121まではあと
議席。民主会派に加わっていない一部無所属議員が協力すれば、社民党
の同意がなくても法案を可決できる可能性が高まった。

 

衆院選大勝の勢いをそのまま、参院補選でも民主党候補が勝利した。これ
自体は想定の範囲内であろうが、党再生を目指す自民党の谷垣総裁として
は一勝はしたかったところだろう。2議席を追加し、民主党系の会派は1
20議席を数え、過半数前でいよいよ残り1議席に迫った。この数字が意
味をすることは、社民党と連立を組む必要性が薄くなってきたことである。
民主党社民党国民新党の連立政権が発足してから、まだ日は浅いと言
うのに、すでに隙間風が吹き始めたと言えるだろう。むろん国民新党とて
例外では無いが、会派離脱をちらつかせる手段が残されている分、まだ立
場はマシと言えそうだ。いずれにしても、来年の参院選の結果次第で、こ
の連立政権の行く末は決まることになる。