鳩山由紀夫首相の資金管理団体友愛政経懇話会」の偽装献金問題で、会
計事務担当の元公設第1秘書が、政治資金パーティー券の収入についても、
政治資金収支報告書に虚偽記載していたことが27日、関係者の話で分か
った。収入を実際よりも多く見せ掛けるため、会計帳簿に記載された実際
の収入よりも、水増しして記載していた。東京地検特捜部は、既に同会か
ら会計帳簿の任意提出を受けており、同様の事実を把握しているとみられ、
実態解明を進めている。収支報告書によると、友愛政経懇話会は年1回、
鳩山由紀夫サイエンスフォーラム」という政治資金パーティーを開催。
2004〜08年の5年間にそれぞれ約4200万〜約5800万円のパ
ティー券収入があり、総額は約2億4800万円に上ったと記載されて
いる。実際のパーティー券収入はこれより少なく、元秘書が収支報告書に
過大な金額を記載したとみられる。

 

鳩山首相の偽装献金問題は解明が進むどころか、新たな不正が続々と明ら
かになっており、その根の深さは未だに分からない状態である。鳩山首相
は秘書が勝手にやったこと、自分は知らないとの弁明するものの、億単位
の金額を秘書が偽装しなくてはならなかったのは何故なのか。この部分が
全く見えてこない現状に、どこか不可思議さを感じるのである。政治とカ
ネの問題をクリアにしていくどころか、自身の政治資金がどす黒いものに
覆われている事実をどう考えるのか。民主党の代表と幹事長がいずれも献
金問題でミソを付けた中で、政治とカネの問題に向き合うに相応しい資格
を持っているとは言えないだろう。昨日の所信表明演説で偽装献金問題に
触れた際は、自民党からは「だったらきちんと説明しろ」「(政治資金の)
透明性がないじゃないか」と野次が飛んだ。むろん選挙前から、この疑惑
は判明していたわけで、それでも有権者民主党を選んだ、それをもって
禊は済んだと思っているかもしれないが、甘いと言わざるを得ない。本当
に問題をクリアにしたいのなら秘書の証人喚問くらいして欲しいものだ。