国会は28日、衆院本会議で鳩山由紀夫首相の所信表明演説に対する各党
代表質問を行い、鳩山政権発足後初めての本格論戦がスタートする。自民
党の谷垣禎一総裁が最初に質問に立ち、首相の献金虚偽記載問題や鳩山内
閣の主要政策の財源問題などを厳しく追及し、反転攻勢への足掛かりを得
たい考え。所信表明では個別の政策課題への踏み込みを避けた首相がどの
ような答弁をするか注目される。衆院選で惨敗し、谷垣総裁の下で立て直
しを図る自民党。谷垣氏は「国会論戦で相手のアキレスけんを突くことが
必要」として、鳩山政権との対決路線を鮮明にする方針。同党は、献金
偽記載問題で首相に明確な説明を求めるほか、元大蔵事務次官斎藤次郎
氏の就任が決まった日本郵政社長人事や、群馬県の八ツ場ダム建設中止問
題などを取り上げ、揺さぶりたい考えだ。 

 

異例の長時間となった鳩山首相所信表明演説であったが、その内容は中
身が無い、抽象的すぎるなど野党に酷評された。むろん、この手の批判は
首相としての通過儀礼のようなものだろう。谷垣総裁にとって、党再生を
かけた本格的な戦いが始まり、鳩山首相が抱える献金問題しかり、民主党
が掲げたマニフェストしかり、攻撃するポイントはいくらでもある。特に
無駄を削減して財源を捻出するとした選挙前、選挙中の主張が実現出来る
のか。膨大な額に膨らんだ概算要求を前にして、鳩山首相はどう反論する
のか注目だろう。刻一刻と状況が変わっていく中で、マニフェストを必ず
実行しなくてはならないとは思わないが、政治主導と言う名の下に各大臣
が勝手なことを言っているのは気のせいだろうか。普天間基地の移設問題
にしても、防衛相と首相の発言は食い違っており、国家の根幹をなすはず
の安全保障すら、この有り様では政治主導が聞いて呆れる。自らウィーク
ポイントを晒すようでは、政権運営に支障をきたすことは間違い無い。