平野博文官房長官は5日の記者会見で、内閣官房報償費について「性格上、
オープンにすることはできない。私が責任を持って適切に判断していく」
と述べ、使途は公表しない考えを示した。機密費の残高も明らかにしなか
った。民主党は野党時代の2001年に「機密費改革法案」を国会に提出、
機密費の透明度を高めるよう求めていた。平野氏は「そういうことを言っ
てきたことは事実だが、相手のあることでもある。私を信頼してほしい」
と、方針転換に理解を求めた。鳩山首相は機密費の取り扱いは平野氏に委
ねていることを明かした上で「国民に理解を求めるプロセスは必要になる
が、すべてをオープンにすべき筋合いのものだとは必ずしも思っていない」
と述べ、非公開を容認する意向を示した。官邸で記者団の質問に答えた。

 

政権を取った途端に野党時代のことを切り捨てる、それ自体は批判されて
は仕方無いことだが、いわゆる機密費の扱いについては、オープンにすべ
きこととは思えない。むろん、機密費が国会対策費としての飲食代やスー
ツ代・パーティー券の購入費に充てられるようなことがあってはならない
が、全てをオープンにすることが果たして得策なのだろうか。政権が変わ
ったのだから、これまでどういう使われ方をしてきたのか明らかにすべき、
との声もあるようだが、その内容が公開してはまずいと現実的な判断が働
いたのではなかろうか。過去を暴きたてるような真似をしていては、政権
交代が起きるたびに不毛な報復合戦になりかねず、好ましいものではない。
機密費が私的に流用されるようなことにさえならなければ、放っておいて
良い問題なのではなかろうか。