オバマ米大統領は13日午後、アジア歴訪最初の訪問地として、専用機で
初来日する。同日夜に首相官邸鳩山首相との会談に臨み、終了後に共同
記者会見を行う。アフガニスタン支援や核軍縮地球温暖化防止などで日
米の連携強化を確認する見通しだ。首脳会談は、〈1〉日米関係〈2〉ア
ジア太平洋地域における日米協力〈3〉グローバルな課題に関する日米協
力が主要議題となる。「核のない世界」、地球環境、経済交流に関する共
同文書をそれぞれ発表する見通しだ。地球温暖化防止では、日米両国が2
050年までに温室効果ガスの80%削減を目指すことや、環境関連エネ
ルギー技術の協力などを盛り込む。

 

列挙されている主要議題からも明らかなように、今回の日米首脳会談の中
身は具体性を欠き、何のための会談なのか位置付けが不明である。迷走す
普天間基地の移設問題は議題に上らないようだが、米国側から何らかの
アクションはあるだろう。難題を先送りしておきながら、極めて優先順位
の低い、永住外国人地方参政権付与のための法案を、会期の短い臨時国
会で通そうとするなど、鳩山政権の方針には首を傾げざるを得ない。大幅
な税収減が見込まれると言われている中で、景気対策通常国会で打ち出
すなど、あまりにスピード感に乏しく、日本経済が二番底に陥れば、赤字
国債を発行して対応せねばならず、発行額を44兆円に抑えるなど言って
いられなくなるのだ。マニフェストに書いたことは必ず実行する「マニフ
ェスト原理主義」からは脱却し、政権を奪取した以上は現実を見据えて、
政権運営をして欲しいものだ。何ら実の無い首脳会談で終われば、米国は
ますます中国へ傾斜することだろう。