菅直人副総理兼国家戦略担当相は24日の閣議後会見で、鳩山由紀夫首相
の偽装献金問題について「批判があるのも当然だが、政権そのものが揺る
がされることにはならないのではないか」と述べ、鳩山政権への影響は限
定的との見方を示した。菅氏は「首相自身が虚偽記載があったと認めた上
で、捜査当局に必要な資料をすべて提供し、その判断を待つという姿勢は、
一つのあり方としていいのではないかと思う」と首相の判断を支持した。
一方、鳩山首相は同日午前、首相公邸前で記者団に「すべて検察に任せて
いる。私自身のことも含めて申し上げる時期ではない」と語った。

 

鳩山首相は野党時代、政治とカネをめぐる問題について舌鋒鋭く追及する
姿勢を見せてきた。秘書がやったことでは済まないと攻撃したわけだが、
自身の偽装献金問題では「監督責任については捜査に委ねたい」とし、元
秘書の刑事責任が確定した場合についても「その時に判断したい」と、あ
の舌鋒鋭く追及した姿勢は何だったのかと言われかねない、そんな醜態を
晒している。「すべて検察に任せている。私自身のことも含めて申し上げ
る時期ではない」と逃げの一手で、説明責任を果たすつもりは無いようだ。
さらに、それをフォローするかのように菅副総理も、政権そのものを揺る
がすことは無いとの見方を示している。何と身内に甘いことだろうか、こ
のような姿勢では「政治とカネ」の問題に取り組むことは出来ないのでは
ないか。このまま秘書に責任を押し付けて幕引きを図るようでは、これま
でと何ら変わらないと言わざるを得ない。