鳩山由紀夫首相は7日夕、米軍普天間飛行場の移設問題に関し、18日に
コペンハーゲンで開かれる気候変動枠組み条約第15回締約国会議の首脳
級会合の場を利用して日米首脳会談を行うよう米側に働きかけていく考え
を明らかにした。首相は、「そのときまでの政府の考えを伝え、何らかの
形で理解を得たい」と述べ、オバマ米大統領に直接日本側の方針を伝達す
る考えを示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。首相はオバマ大統領
に伝達する日本側の方針について、「結論とは必ずしも申し上げていない」
と述べ、移設先を特定しない可能性を示唆した。移設先に関しては「あら
ゆる選択肢が残っている」と強調。現行案の沖縄県名護市辺野古を移設先
として年内決着させる可能性についても、排除しない意向を表明した。

 

迷走する普天間基地の移設問題、関係閣僚が言行の不一致を繰り返し、米
国から疑念の目を向けられる有様であった。そんな中、結論を来年へ先送
りしようと目論んでいた鳩山首相が18日にオバマ大統領との会談で考え
を伝えると発言した。この発言で問題なのは、移設先を特定しない可能性
を示したと言うことである。これでは結論を伝えるのでは無く、相変わら
ず曖昧で時間稼ぎをしているだけと受け止められかねない。それでは、ま
すます米国は不信感を抱くであろうし、迷走し続けて結局のところは着地
点を見失う。社民党辺野古沖への移設に決まった場合には、連立離脱を
匂わせているものの、そのような脅しに応じていては、いつまで経っても
足を引っ張られ続けることになる。「トラストミー」と言われたことを、
オバマ大統領は忘れていないであろう。