天皇陛下と中国の習近平国家副主席との会見が特例的に行われる問題につ
いて、宮内庁羽毛田信吾長官は12日、取材に対し、平野官房長官から
会見を実現するよう要請された際、日中関係の政治的重要性のほかに、中
国側が実現を強く望んでいると強調されたことを明らかにした。羽毛田長
は今月7日と10日、平野官房長官から直接電話を受け、「強い調子で」
特例扱いでの会見の実現を要請された。この際、官房長官が強調したのは、
日中関係は政治的に重要、中国政府側が実現を強く望んでいるの2点だっ
たという。一方、羽毛田長官は、民主党小沢幹事長が会見の実現を要請
したとされることについては、「誰に頼まれたとか、背景説明は官房長官
から一切、聞かされなかった」と語った。

 

今回の特例会見実現に向けた民主党の動きは不愉快そのものであり、天皇
陛下を政治利用しようとする動きが見え見えである。本来、陛下と外国要
人との会見は、1か月以上前に文書で申請する政府慣行があったものの、
中国政府からの申請は来日18日前の11月26日。宮内庁は慣行を理由
に断り、外務省も了承、ここまでの対応は何ら問題は無かったはずだ。そ
こに平野官房長官が「総理の指示だ」と直接、電話で特例扱いを求めた、
この辺りからキナ臭い雰囲気となってきている。平野官房長官が羽毛田長
官に電話したのが7日と10日と言うことで、やはり小沢幹事長の訪中が
関係しているのでは、と誰でも思うだろう。日中関係は政治的に重要と言
うが、大国、小国に差をつけず公平に会見を行ってきた慣行を破ったこと
に対する批判大きい。一度前例を作ってしまうと、同様の要請があった際
に次から断るのが難しくなる。いったい民主党は何を考えているのか、中
国に媚びるのは自党だけにして欲しいものだ。