[政治]

民主党小沢一郎幹事長が天皇陛下の会見を巡り「辞表を提出してから言
うべきだ」などと批判したことに対して、宮内庁羽毛田信吾長官は14
日夜、報道陣に対して「(ルールを)守っていただきたいと言うのが私の
役回りと思っているので、辞表を出すつもりはありません」と断言した。
羽毛田長官は「陛下のお務めのあり方を守るのが私の役目で、そうした懸
念が生じた場合は言うべきことを言う」と述べた。小沢幹事長の発言に対
しては「申し上げる立場にない」としてコメントは避けた。

 

小沢幹事長の記者会見では「そのルールは誰がつくった?法律で決まって
いるわけではない」「何とか言う宮内庁の役人が、どうだこうだ言ったそ
うだが、全く日本国憲法を理解していない人間の発言としか思えない。信
じられない」と羽毛田長官を罵倒したわけだが「君側の奸」と呼ばれるの
は、むしろ小沢幹事長鳩山首相であろう。日中関係が大事なのは分かる
が、中国側の都合をゴリ押しするのは如何なものか。習近平副主席は胡錦
濤主席の最有力後継者と目され、胡主席が副主席当時に来日した際も陛下
と会見しており、習副主席もそれに倣い、後継者であることを知らしめる
意図があったとさえ言われている。特例会見は民主党内からも反発の声が
上がり、明文化されていないとは言え、ルール無視のゴリ押しが歓迎され
るわけも無い。本人は否定するが、予定されていた習副主席との会談は、
これらの反発も影響したのであろう、中止されたようだ。いずれにせよ、
禍根を残したのは言うまでも無い。