鳩山由紀夫首相は26日午後、米軍普天間飛行場の移設先について「現実
の中で考えれば、抑止力の観点からみて、グアムにすべて普天間を移設さ
せることは無理があるのではないか」と述べ、米領グアムなど国外移設の
可能性を事実上否定した。アール・エフ・ラジオ日本の番組収録で語った。
社民党が有力な国外移設先と位置付けるグアムを首相が排除する考えを示
したのは初めて。同党からは「真意が理解できない」と批判する声が上が
っている。首相は普天間の国外移設に関し「果たして抑止力という観点か
ら、十分かどうかという議論は、やはり相当大きくある」と強調。その上
で、米海兵隊約8000人のグアム移転で米側と合意していることを指摘
し、「それ以上(の国外移転)というのはなかなか難しい」と語った。

 

鳩山首相の最大の欠点と言えるのが、その口の軽さであろう。その場その
場で違う発言をしているため、結論が見えてこない上に、誰もその発言を
信用しなくなる危険性を帯びているのだ。今回も普天間基地の移設問題で
国外移設を事実上否定する発言をしており、連立与党である社民党が国外
移設を訴えているのとは、まるで方向性が違うことになる。抑止力云々な
ど今さら言う話では無く、そんなことは自公政権の時代に分かっていたこ
とではないか。移設先をひたすら先送りしてきた中で、相変わらず優柔不
断とも言える発言を繰り返し、ともすれば八方美人な発言が目に付く。こ
のままでは、鳩山首相の発言を信用する人がいなくなるだけでなく、我が
国にとっても大きな損失となるであろう。「最終的な判断は私がする」と
意気込むのは勝手だが、現実に即した結論を出すべきではなかろうか。