小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体陸山会」が2004年、政治資金
収支報告書に記載がない4億円以上の資金を土地購入費などに充てた疑惑
で、この資金が当初現金で保管され、小沢氏関連の複数の政治団体に振り
込まれた後、さらに陸山会に移動していた疑いのあることが26日、関係
者への取材で分かった。東京地検特捜部は、当時陸山会の事務担当だった
石川知裕衆院議員が、複雑な資金移動の経緯を知っている可能性が高いと
みて近く任意聴取し、現金の保管方法や原資について説明を求める。関係
者によると、陸山会は04年10月29日、東京都世田谷区の476平方
メートルの土地を約3億4千万円で購入。それ以前に4億円以上の現金が、
小沢氏の政治団体小沢一郎政経研究会」など複数の口座に分散して振り
込まれ、さらに陸山会の口座に短期間で移動していた。

 

政治とカネの問題は政権交代が実現しても、次から次へと出てくる際限の
無い問題となりつつある。小沢幹事長西松建設偽装献金事件も抱えた上、
さらに自身の資金管理団体陸山会」でも疑惑が噴出している。鳩山首相
の偽装献金は身内からの資金援助と言うこともあり、脱税の疑惑はあった
ものの、出所そのものははっきりとしている。今回の陸山会の疑惑につい
ては、かつて事務を担当していた石川議員は「自分は動いていない。細か
いことは分からない」と関与を否定しているようだが、では誰が動いてい
たのか、それを解明する必要があるだろう。さらに、小沢幹事長が過去に
率いた2政党「新生党」と「自由党」を解党した際、党に残った資金の大
半に当たる計22億円余を、自分の運営する政治団体に移して支配下に置
いていたことが分かり、両党の資金には政党交付金など多額の公金が含ま
れており、その手法は問題視されてしかるべきだろう。政権政党のトップ
とナンバー2がカネの問題で転ぶようでは話ならないのだ。小沢幹事長
どう反論するのか、ある意味期待したいところだ。