[政治]

鳩山政権の「党高政低」ぶりが明らかになる中、公明党民主党の小沢一
郎幹事長に秋波を送り、「小沢シフト」を鮮明にし始めた。公明党の悲願、
永住外国人への地方参政権付与の実現に小沢氏の力が不可欠なのに加え、
将来の民主党との連携への思惑もうかがえる。公明党は野党転落後、共に
政権を組んだ自民党と距離を広げ、民主党ににじり寄った。先の臨時国会
で審議拒否を続けた自民党と一線を引いたのが好例だ。しかし、巨大与党
民主党を相手に埋没気味の状況を打開するには至っていない。鳩山由紀
夫首相や小沢氏の「政治とカネ」が問題化すると、公明党は支持者を意識
して民主党批判にかじを切ったものの、2人への対応には差をつけている。
首相の元秘書が偽装献金事件で起訴された24日、公明党山口那津男
表は「首相の職を辞すべきだ」といち早く辞任を要求した。一方、小沢氏
の公設第1秘書の初公判の際には、「徹底して事実の解明を進めてほしい」
との談話を発表しただけだ。

 

長きにわたって政権を担ってきた自民党公明党が下野したことで、連立
野党は有り得ないと、その関係は自然に離れていった。公明党は先の衆院
選では小選挙区立てた候補が軒並み落選し、創価学会が強いとされる地区
でも風が吹けば飛ばされてしまう、そんな現状であることを、自ら晒して
しまったと言えるだろう。一度与党の立場を味わってしまった以上は、す
ぐに政権与党に擦り寄ると思っていたが、早くも民主党への秋波を送って
いるとは、恥も外聞も無い行為ではないか。永住外国人への地方参政権
与とは、そうまでして成し遂げたいものなのか、理解に苦しむことである。
いずれにしても、公明党が生き残るためには、我が国最強の集票マシンで
ある創価学会の意向は無視は出来ず、野党に転落した今となっては、そう
簡単に得票数も伸ばすことは出来ないだろう。組織票に支えられていると
は言え、党勢を回復するのは容易なことではない。