衆院予算委員会は21日午前、鳩山由紀夫首相と全閣僚が出席し、7兆2
000億円の経済対策を盛り込んだ2009年度第2次補正予算案の実質
審議に入った。首相は、経営破綻した日本航空について「政府として、企
業再生支援機構や日本政策投資銀行を通じ、必要な資金を提供する」と述
べ、全面的に支援する考えを強調した。その上で、「できるだけ早く立ち
直って黒字企業に生まれ変わってもらわないとならない」と、早期の経営
再建に期待を示した。民主党吉田公一氏への答弁。前原誠司国土交通相
は「天下り体質は関連企業を含め払しょくしないといけない。すべてリセ
ットして新たなスタートを切ってもらうことをしっかりやりたい」と語っ
た。首相は「政治とカネ」の問題に関し、自身の献金偽装を念頭に「国民
に心配、迷惑を掛けたのはおわびする。このような問題が二度と起きない
よう一生懸命努力する」と陳謝した。

 

この通常国会が鳩山政権にとって本格的なスタートとの位置付けになるだ
ろう。その国会を前にして鳩山首相の偽装献金問題や小沢幹事長の資金管
理団体「陸山会」による土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件が起き、
国会運営に大きく影響している。知らぬ存ぜぬで、一応は逃げ切った形の
鳩山首相と違い、小沢幹事長の場合は元秘書で陸山会の事務担当だった石
川議員が逮捕されるに至り、疑惑が解明されるどころか、ますます深まっ
ているのが現状である。政権交代が実現しても「政治とカネ」の問題はい
つまでも付きまとう、そんなイメージを有権者が持ったのは確かだろう。
支持率も続落傾向にあり、通常国会で攻め続けられた場合には、非常に苦
しい状況に追い込まれる。支持率に振り回されず、自らの信念を押し通す、
鳩山首相がそのような政治家とは思えず、小沢幹事長にまで捜査の手が及
べば、首相の座を放り出しかねないだろう。