自民党執行部は18日、派閥解消の検討に入った。今夏の参院選に向けた
党改革の柱とする狙い。同日の谷垣総裁と党三役らの会合で石破政調会長
らが提案した。石破氏は「派閥が古い自民党の象徴のように見られており、
不要論・廃止論がある。党再生アピールのためにも解消に手をつけるべき
だ」と主張。各派閥の事務所閉鎖などを提案し、田野瀬総務会長らも賛意
を示した。党内には慎重論もあり、大島幹事長が調整にあたる方針だ。自
民党はリクルート事件後の1989年や、94年などに派閥解消を打ち出
したが、事実上復活した経緯がある。

 

自民党は昨年の衆院選における歴史的な大敗後、再生のための努力を続け
てきたかと言えば、決してそうでは無いだろう。消去法的に選ばれた谷垣
総裁にせよ、ベテランで固められた執行部にせよ「古い自民党」のイメー
ジを払しょくするどころか、むしろ強くした感すらある。確かに安易に世
代交代を進めても、実力が分からない以上、場合によってはますます党勢
を削がれる可能性もあったのは否定出来ない。大きく人数を減らした自民
党にとって、派閥は存在意義を失い、派閥単位で動くような時代でも無か
ろう。民主党が政治とカネの問題で足踏みする中で、それを追い風に出来
ていない現状を考え党再生に向けた取り組みに全力を挙げる時だ。