[政治]

政府は16日、沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題で、17日の沖縄基
地問題検討委員会で予定していた社民、国民新両党からの移設案の提示を
先送りした。社民党は国外を軸とした移設案を、国民新党は県内移設の案
を示す予定で、調整のめどが立たないためだ。移設案提示の見送りは16
日昼、与党3党の国会対策委員長首相官邸を訪れ、検討委の委員長を務
める平野官房長官に申し入れて決まった。民主党山岡賢次国対委員長
同日の与党3党の国対委員長会談で、「各党が別々の案を出したら国会審
議に影響が出る」と理由を説明した。2010年度予算案の審議中に野党
に攻撃材料を与えることになりかねないというわけだ。

 

いったい何のための検討委員会なのだろうか。各党が勝手な案を出して、
政府はそれを先送りする、時間の空費と批判されても仕方無いだろう。国
民新党はキャンプ・シュワブ陸上部への移設案などを提示予定で、社民党
はあくまで県外移設にこだわり、米領グアムなどへの移設を提示予定では、
まったく議論がかみ合わず、結論が出るどころか、ますます迷走しかねな
い。これをどう鳩山首相が調整するのかは知らないが「最後は私が決める」
とまで言い切った以上、強硬に反対する社民党を切り捨てて、県内への移
設とするのが現実だろう。そのために予算成立後の5月までに決めるとし
たのであろうし、何の手も無く先送りにしたわけでもあるまい。本当に単
に迷走し続けているだけとしたら、日米同盟を深化するなどとは口が裂け
ても言えないだろう。