民主党が26日午前に国会内で開いた参院議員総会で、「政治とカネ」の
問題や、米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる鳩山政権の迷走で逆風にさ
らされている改選組の参院議員たちから、窮状を訴える声が相次いだ。小
林正夫氏は「世の中、『民主党はだめだ、鳩山の優柔不断さはだめだ』と
いう声が圧倒的に強い。せっかく与党になった。この場に戻ってきたい。
打開策の手を打ってほしい」と発言。加藤敏幸氏も「戦術的な対応で間に
合うのか。戦略的な対応を打つ必要がある。衆院に308議席あるから参
院選で負けても数合わせをすれば政権を維持できると、そんなこと本気で
考えているのか」と主張した。また、藤末健三氏は「『政治とカネ』の問
題も対応してほしい。企業・団体献金を禁止する法案を今国会で通さなけ
れば、世論の逆風をしのげない」と訴えた。

 

改選を迎える民主党参院議員が焦りを隠せないのも当然だろう。政権交
代が実現して数カ月は、余裕で単独過半数を獲得出来るとさえ言われてい
たのに、今では惨敗の声すら聞こえてくる。小沢幹事長は得意の組織固め
に動いているようだが、3年前の参院選では与党にあって支持団体が支え
ていたはずの自民党は記録的な大敗を喫している。もはや無党派層と言っ
た浮動票は見過ごせないものとなっており、去年の衆院選で大勝出来たの
も浮動票が民主党に流れたためである。つまり、組織票だけで勝ち抜ける
のは一部にとどまり、よほどの地力が無い限りは厳しい戦いを強いられる
ことであろう。輿石東参院議員会長は「皆さんの気持ちは受け止める。私
がなぜ会長をやらしてもらっているか、そのことを肝に銘じて、皆さんも
覚悟を決めてもらいたい」と述べたようだが、空気がまるで読めていない。
農地を車庫や舗装路に使ったことで、農地法違反の行政指導を受けたのを
忘れたのか。大見得を切っている場合ではないだろう。