鳩山由紀夫首相は25日朝、米軍普天間飛行場の移設問題をめぐり、社民
党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相が同日、沖縄県を訪問することに
ついて「閣僚として行くのは今、この立場でいかがなものかと思う」と語
り、強い不快感を表明した。ただ、「社民党党首の立場で行くのはやむを
えない」とも述べた。首相公邸前で記者団に答えた。同党は名護市辺野古
への移設に反対しているが、首相は「なかなか社民党の考えとは一致しな
いところがある。これからも懇切丁寧に説明したい。理解をできるだけ深
めてほしい」と述べた。福島氏は25日午後、沖縄県を訪問し、仲井真弘
多知事、稲嶺進名護市長、伊波洋一宜野湾市長と会談し、社民党として辺
野古移設に反対する考えを伝えることにしている。

 

社民党の党首としての訪沖にせよ、福島氏は鳩山政権の閣僚である。社民
党は連立から離脱すれば、小政党だけに埋没してしまうのは明らかだ。そ
れだけに、存在をアピールしておきたいのは分かるが、辺野古への移設を
目指す鳩山首相の面子は丸潰れであろう。社民党としての考えを伝えるに
しても、では鳩山政権の閣僚である福島氏はどう対応するのか。そもそも
今回の訪沖そのものに意味があるのか、疑問だけが残る。むろん、ここで
移設を認めてしまうことは社民党の存在意義のも関わってくる。解決すべ
き点を棚上げしたまま、連立政権に加わったことの愚かさを、今さら嘆い
ても遅い。今からでも遅くは無い、社民党としての筋を通して連立を離脱
すべきだろう。