日米両政府が28日午前、米軍普天間飛行場の移設に関する共同声明を発
表したのを受け、野党は一斉に鳩山政権を批判した。自民党谷垣禎一
裁は党本部での会合で「今日は一つの山場だ。(政府が対処方針との)二
枚舌を使うのか、閣内できちっと整理するのか。とにかく一致団結して戦
う」と強調した。予定していた京都府への出張を中止し、午後には東京都
内で街頭演説を行う。公明党山口那津男代表は党議員総会で「社民党
福島党首は真っ向から反対の意見を表明しているが、内閣の意思、首相の
意思と一致しないなら連立政権の基盤が崩れている。文言や表現ぶりをど
う繕おうと決着の偽装に過ぎない」と指摘した。

 

福島党首は閣僚を辞任した上で社民党は今すぐに連立政権を離脱すべきだ。
対外的には普天間基地の移設先「名護市辺野古」周辺と明記した共同声明
を発表した以上、鳩山首相辺野古への移設どころか、県内移設に反対す
る福島氏を罷免させるなりして、閣内の不一致を正さなければならない。
それを取り繕うために署名の必要な閣議決定では無く、首相発言でお茶を
濁そうとしているのは如何なものか。社民党は、鳩山首相の記者会見の内
容も見た上で、連立政権を離脱するか残留するかを決めるようだが、もは
や連立政権にいる方がおかしな存在となっていることに気が付かないのか。
鳩山政権は結局のところは現行案と同じ辺野古へと回帰し、最低でも県外
との構想はとうに破綻しているのである。進むに進めず、退くに退けず、
自ら脱出不可能な隘路に入り込んだように見える。