自民党大島理森幹事長は21日の記者会見で、北沢俊美防衛相が米軍普天
間飛行場の移設問題について「(11月28日投開票の)沖縄県知事選以降
でないとはっきりしたことは言えない」と述べたことについて、「日米合意
の責任を抜きにして勝手な発言をしており、菅内閣にガバナビリティのない
証左だ」と批判した。大島氏は「普天間問題が迷走したのは、各大臣が勝手
なことを発言したからで、また同じことを繰り返すのか」と指摘。菅直人
相についても「外交案件で内閣をグリップできないのなら辞めたほうがいい」
と述べた。5月の日米安全保障協議委員会の共同発表では、8月末までに普
天間飛行場の代替施設の位置や工法を決めることになっている。

 

普天間基地の移設問題は鳩山前政権が完全に迷走させ、菅政権にも迷走され
たまま引き継がれた。鳩山前首相の置き土産と言える日米共同宣言では、辺
野古周辺に移設すると明記したものの、頭ごなしに決定したために沖縄県
の反発を招いている。先行きが不透明だから先送りする、そんな場当たり的
な対応を繰り返せば、結果は火を見るよりも明らかだ。普天間基地の移設が
まとまれば、これに合わせて嘉手納基地以南の基地の返還、グアムへの移転
が進むことになる。順調に進めば負担の軽減となるはずだが、第一歩目で躓
いている状態なのが、今の普天間基地移設問題である。8月末までに普天間
飛行場の代替施設の位置や工法を決めると言う現実と向き合うべきだろう。
果たして菅首相は誰もが納得する、そんな魔法のようなプランを持ち合わせ
ているのか、期待せずに8月末を待ちたい。