仙谷由人官房長官は28日午前の記者会見で、当初30日を予定していた1
0年版の防衛白書閣議了承と公表を9月まで先送りする方針を明らかにし
た。仙谷氏は理由について、「韓国の哨戒艦沈没事件を受けた日本側の積極
的な貢献活動や、最近実施された米韓合同演習への海上自衛官のオブザーバ
ー参加も白書に書くべきだ、と指摘が閣内にあった」と述べた。白書には毎
年、竹島を「わが国固有の領土」と記載しており、領有権を主張する韓国が
抗議している。今年8月に日韓併合から100年を迎えるため、その前の発
表は韓国世論の反発を呼ぶ可能性がある。その点を配慮したのでは、との指
摘に対し、仙谷氏は「東アジアの平和と安定は、未来志向の日韓連携の強化
と日米同盟の深化に尽きる。そういう観点からあらゆる政策マターを判断す
る」と述べ、一定の配慮をしたことを示唆した。

 

事実をありのままに書いて何が問題なのだろうか。竹島は我が国固有の領土
であって、日韓併合から100年の年だろうがなんだろうが、粛々と防衛白
書を発表すべきだろう。岡田外相のように「不必要な摩擦は招かないように
したいと心掛け、信念としてそうしている」として日本政府が答弁などで使
っている「韓国による不法占拠」という表現を使わない、そんな意味不明の
信念を貫き誤ったメッセージを送ってしまっている。竹島が韓国の不法占拠
をしているのは事実であり、外務省も政府答弁通りに不法占拠であるとの認
識で統一されているはずである。そして、今回の防衛白書の先送りと言う政
府の対応には怒りを禁じえない。菅首相は「韓国の哨戒艦沈没事件はG8で
も大変大きな課題だった。これを盛り込むべきだと私が判断した」と述べ、
韓国への配慮のためでは無いと打ち消しにかかっているが、少なくとも韓国
側はそのようには受け止めていないだろう。