第175臨時国会が30日に召集され、菅直人首相は記者会見で「党員の支
持をいただければ、代表として首相として財政再建などに取り組んでいきた
い」と述べ、9月の民主党代表選に出馬する考えを表明した。衆参ねじれに
より、今後は厳しい国会運営を強いられるが、国会が膠着した場合の衆院
散を「全く考えていない」と否定した。首相は「国民のために役立つ政策で
あれば、私たちも真摯に耳を傾け、合意できたものはしっかりと取り組む」
と述べ、野党との政策ごとのパーシャル連合に意欲を示した。対立色を強め
る小沢前幹事長との協力関係の構築については「9月に代表選が予定されて
いる今の段階でこうしたいああしたいというのは早過ぎる」と言葉を濁した。

 

菅首相にとって、この8月は試練の月となるだろう。参院選で大敗したこと
で党内基盤は脆弱なものとなり、支持率浮揚につながるようなサプライズも
難しい。無風のまま代表選を迎えられるわけもなく、どう乗り切るかと言う
宿題が出ているのだ。しかし9月の代表選で再選されても、次に衆参のねじ
れが菅政権を苦しめることだろう。それまでに連立の組み替えを果たすこと
が出来るのか。みんなの党公明党なのか、どちらと組むにしても民主党
権は大きく変質することになる。また、パーシャル連合は言うのは簡単だが
実行するのは難しいのではないか。法案を通そうとするあまり、野党の案を
丸呑みしていては、民主党らしさを出すのが難しくなる。足元を見られたま
政権運営をする覚悟が菅首相にはあるのだろうか。