11日の参院選後、初の国会となる第175臨時国会が30日、召集された。
参院選の結果、参院の与党会派は110議席過半数を確保できておらず、
与党は「ねじれ国会」の難しい運営を迫られる。菅首相は就任後初めて、衆
参両院の予算委員会の質疑に臨む予定で、9月の民主党代表選での再選に向
けた大きな関門となる。参院本会議は30日午前、議長に民主党西岡武夫
・元文相、副議長に自民党尾辻秀久・元厚生労働相を選出した。自民党
たちあがれ日本新党改革は議長選で白票を投じ、みんなの党は同党の江口
克彦氏に投票した。公明党共産党社民党は西岡氏に投票した。また、参
院は議院運営委員長に自民党の鈴木政二参院国会対策委員長を選出した。議
会運営の要となるポストを自民党が握ることで、野党の影響力が一層強まる。
予算委員長には平野達男氏、内閣委員長には柳沢光美氏、法務委員長には浜
田昌良氏が選ばれた。臨時国会の会期は、8月6日までの8日間。

 

菅政権は「ねじれ国会」を乗り切るために、どのような手を打つのだろうか。
臨時国会の会期そのものは短いので、さし当たって来年の通常国会が問題に
なる。与党は参院過半数割れを起こしている上に、衆院で3分の2を占め
ているわけでもない。つまり再議決と言う切り札は使えず、野党の協力を得
ないことには、法案一つ通すことが出来ないのだ。この状況を覆すには、連
立の組み替えが手っ取り早いが、候補とされるみんなの党公明党にしても、
そう簡単に民主党とは組まないのではないか。ギリギリまで譲歩を引き出し
て、自党が成立させたい法案を呑ます、そんな筋書きだろう。菅政権は参院
選で大敗したことで党内基盤が脆弱になり、9月の代表選を乗り切るための
シナリオを描くのに精一杯だ。むろん、そのシナリオ自体は画餅に期す可能
性すら出てきている。小沢グループ鳩山グループ、そして参院を押さえる
輿石参院議員会長など、扱いを誤れば一気に敵にまわりそうな面子ばかりで
あり、反菅の包囲網を築かれればひとたまりも無い。菅首相にとって長い夏
となりそうである。