民主党海江田万里衆院財務金融委員長は1日午前、9月の党代表選につい
て「複数になるのが望ましい。新しい人が選ばれたら、党全体をまとめあげ、
民主党が置かれている難局を乗り切るのが一番好ましい」と述べた。自身の
出馬については「先の記者会見で首相の意気込みがあまり出ていなかった。
予算委員会の議論をよく聞かせてもらいたい。それを聞くまでは、どうこう
といえない」と含みを残した。代表選の争点については「消費税の問題は争
点にすべきだ。首相が争点にしないといっても争点になる」と強調した。政
府が、予算編成の基本方針を協議する新組織の設置を検討していることには
国家戦略局を維持して、その中で予算を決めるほうが本来あるべき姿だ。
屋上屋を重ねる組織をつくっても意味がない」と否定的な考えを示した。

 

海江田氏の発言は、まるで菅代表では民主党をまとめられないと言っている
ようなものではないか。9月の代表選に向けて、民主党内で小沢前幹事長と
鳩山前首相を支える勢力が連携を強め、そこに旧社会党グループが同調する
新たな動きが出てきており、反小沢で結集した菅体制を脅かそうとしている。
しかし海江田氏が民主党代表に相応しいかと言えば、微妙なところではない
か。数の力を頼みに代表になっても、結局は大勢力のグループの意向のまま
に動かなければならないのだ。意向を無視したまま動けば、自らの党内基盤
を弱くするだけで無く、政権運営にも影響してくる。いずれにしても、菅代
表で勝てると思われた参院選で大敗を喫したのは事実である。政権交代から
一年も経たないうちに、内輪揉めが出てくるのは寄り合い所帯ならでは、と
も思うが、国民にとっては不幸そのものである。