10日夜から長野県軽井沢町のホテルで夏休みに入っている菅直人首相は1
2日、円高・株安の中、静養を続けた。電話で仙谷由人官房長官野田佳彦
財務相と協議することはあったが、政府の対応や現状認識などについて、自
ら語ることはなかった。首相は伸子夫人とともにホテル入りして以降、記者
団の前に姿を現していない。来客もなく、周辺によると「目立った予定はな
く、主に読書や書類整理をしていた」という。

 

今の菅首相にとって大事なのは円高・株安に苦しむ日本経済では無く、自ら
が9月14日以降も首相の座にいられるかと言うことではないか。岡田外相、
前原国交相、野田財務相、仙谷官房長官、枝野幹事長など閣内、党内の有力
者が続々菅首相支持に回っているものの、いずれも菅体制を支える面々であ
って、反対に回ったら大変なことになるだろう。気になるのは党内で最大の
勢力を誇る小沢グループの動きではないか。菅首相が何度も面会を求めなが
らも、小沢氏は拒絶を繰り返した。会えば菅首相政権運営や党の運営に協
力を求めるだろうし、それを面と向かって拒絶をするのは得策ではないと考
えたのではないか。それともだんまりを決め込むことで、菅首相を揺さぶる
つもりなのか。静養と言っても、菅首相の心中が休まることは無さそうだ。