菅直人首相は23日午前、衆参両院の民主党新人議員との対話集会を衆院
員会館の自室で始めた。9月1日告示、14日投開票の党代表選での再選を
目指した支持固めを進める狙いで、首相は新人議員に「政策も進んでいるの
で、安心してついてきてほしい」と訴えた。首相に批判的なグループでは小
沢一郎前幹事長の擁立を探る動きが広がっており、党内対立が強まってきた。
首相は衆参両院の当選1回の157人に案内状を出しており、23日から3
日間、午前と午後の1回ずつ計6回開く。23日午前は北海道、東北、北関
東を地盤とする議員32人が対象で、18人が出席した。首相サイドは日程
の都合で出席できない新人議員には別の日時での参加も呼びかけている。首
相は新人議員に「国民に信じてもらえるよう、しっかり活動していこう」と
も語りかけた。案内状では「1期生の皆さんの声こそが、一番国民に近い声
だと思い、直接お目に掛かって意見交換したい」と伝えている。

 

民主党に所属する国会議員413のうち新人議員は3分の1以上を占めてお
り、代表選の結果を左右する大勢力とも言えるだろう。そのため、菅首相
新人議員との対話集会を進めることで、囲い込みをしようとしているのであ
ろう。むろん、本人にその気は無くとも、対抗馬を擁立しようとしている勢
力からすれば、そのように見えてしまうのは間違い無い。菅首相は「日本は
国政選挙が頻繁にあるが、3年間腰を据えて政権運営したい。安心してつい
てきてほしい」と代表選での支持を訴え、さらに「3年間しっかりやって、
3年後に衆参ダブル選挙をやればいい」と安定政権作りを目指す考えを示し
た。6月の代表選後にはノーサイドを宣言し、党内融和を訴えた菅首相だっ
たが、党内対立が表面化する中で、禍根を残さずに代表選を終えることが出
来るだろうか。進むも地獄、退くも地獄とならないことを祈るばかりだ。