菅直人首相は27日、民主党代表選への正式な出馬記者会見を31日夕に行
う方針を決めた。小沢一郎前幹事長も週明けに記者会見する見通し。代表選
告示を9月1日に控え、首相と小沢氏の両陣営は多数派工作を一段と加速さ
せており、27日も党員・サポーター票や、態度を決めていない国会議員の
取り込みをにらんだ活動を展開した。首相は同日午後、東京都大田区にある
メッキ工場など中小企業2社を視察するとともに、経営者との車座集会に臨
んだ。円高などに苦しむ現場の実情を直接把握し、経済対策に全力を挙げる
姿勢をアピールするのが狙い。視察後は、「必要な時には断固たる措置を取
る」と為替介入の可能性を示唆する声明を自ら発表した。 

 

今の菅首相にとって、最大の関心事は代表選であろう。だが、自身が我が国
の首相であることを忘れてもらっては困る。進行する円高に苦しむ企業を放
ったらかして、内輪の選挙に過ぎない代表選にうつつをぬかしてもらっては、
本当に困っている国民を見捨てることになりはしないだろうか。それとも1
4日の代表選が終わるまで待てと考えているのか。菅、前原、野田の主流派
だけでは過半数には達せず、態度を保留にしている面々を口説きにかかって
いることだろうが、自民党の議員よりも自民党らしい小沢前幹事長は得意の
ローラー作戦で党員やサポーター票をかき集め、下馬評で優位に立つことで
態度保留の面々が小沢支持に雪崩を打つのを狙っているのではないか。結局
は勝ち馬に乗りたいのは、誰でも一緒なのだから。