民主党小沢一郎前幹事長は3日午前、テレビ朝日の番組に出演し、自らの
資金管理団体政治資金規正法違反事件で東京第5検察審査会が2度目の議
決で「起訴相当」を出した場合、「堂々と受けて自分の潔白を主張したい」
と述べ、強制起訴に同意する考えを重ねて示した。首相になった場合、国務
大臣は首相の同意がなければ訴追されないとする憲法75条の規定を適用す
る考えがないことを示したものだ。また、小沢氏は検察審査会について「一
般の素人の人が、いいとか悪いとか言う今の仕組みが果たしていいのか、と
いう議論は出てくると思う」と述べ、自身が無罪になった場合、検察審査会
のあり方が問われるとの認識を示した。

 

そもそも小沢氏の出馬が、検察審査会に対する無言の圧力となる可能性は否
定出来ないのではないか。「堂々と受けて自分の潔白を主張したい」と小沢
氏は言うものの、現職の首相が裁判で争うのは異常事態そのものだ。菅首相
との公開討論会でも「証人や政治倫理審査会で申し述べることについて私、
何も躊躇しておりません」と言ったわけだが、その機会はいくらでもあった
のではないかと言いたくもなる。第一、小沢氏は政治とカネの問題で幹事長
職を退いたはずだ。それとも鳩山氏が退くなら一蓮托生、との情でもあった
のか。いずれにしても、国民の理解を得るのは難しいだろう。