自民党・谷垣総裁は3日、全国の都道府県連の幹部を集めた会議で、7月の
参議院議員選挙の結果について「完全に勝利したわけではない」と述べ、政
権奪回に向けた取り組みを強化する考えを示した。「全体の得票から言いま
すと、私どもは完全に勝利したわけではないということも明らかです」谷垣
総裁は「参院選の勝利は道半ばだ」とした上で、「都市部での信頼回復に向
け、工夫しなければならないことはたくさんある」と述べ、東京など都市部
での取り組みを強化する考えを示した。一方で、出席者からは「この2か月、
何をしていたのか国民に見えていない」「人心一新も考えなければいけない」
などと厳しく指摘する声も上がった。これに対し「形だけ変わったと言って
も意味がない、中身のあることをやっていく」と応えるにとどまった。

 

参院選で敗北すれば党が消滅するとまで言われてきた自民党だが、政権交代
の余波を失った民主党を下し、棚ボタで改選第一党を確保した。自身がさん
ざん悩まされた「ねじれ」を使い、どう与党を揺さぶっていくのか。しかし、
出席者から「この2か月、何をしていたのか国民に見えていない」との批判
の声が出たように、野党と言う立場である以上、黙っていてもマスコミが報
道してくれるわけがない。かと言って何をしたら良いのかが分からない、そ
んな苦悩が野党・自民党には見え隠れするのだ。迷走する民主党政権に対し
て、自民党内も相変わらず人心一新なる言葉が出てくるものの、顔を挿げ替
えて済む話では無いだろう。衆院選での大敗から1年が経ったが、党再生へ
の道は遠いどころか、始まってすらいないように見えるのは気のせいか。