民主党代表選に立候補した菅直人首相、小沢一郎前幹事長両陣営の幹部は8
日午前、中盤の選挙情勢について、それぞれ記者団に手応えを語った。小沢
氏陣営の山岡賢次副代表は「議員票は50人以上上回ってきたと思う」との
見方を示し、首相陣営の江田五月参院議長は「互角だ」と語った。山岡氏
は「先に首相支持を表明しても、小沢さんにしようという人が何人も出てき
ている」と述べ、首相陣営への切り崩し工作が進んでいると強調。江田氏は
「有利と思うが、見事にひっくり返された例もあるから、注意しなければい
けない」と語った。一方、首相支持の小宮山洋子財務委員長と小沢氏支持の
細野豪志幹事長代理が午前のテレビ朝日の番組に出演。小宮山氏は「小沢氏
は鳩山政権で幹事長をやったがその時にできなかったことが首相になって一
気にできるかというと現実的でない」と指摘、細野氏は「小沢一郎という政
治家の力を何度か見てきたのでそれに懸けるべき局面ではないか」と語った。 

 

情勢が互角であればあるほど、代表選後の党内での対立が深まることになる。
菅首相と小沢氏がノーサイドで通そうにも、神輿を担いでいる面々からすれ
ば簡単には納得出来ないのではないか。これまで民主党は野党であり、代表
選を勝ち抜いたところで、最大野党の党首でしか無かった。しかし、政権交
代が実現したことで、民主党の代表はイコール首相なのだ。それが、未だに
親小沢か非小沢かによって色分けされ、戦われていることに違和感を憶える。
鳩山政権の崩壊によって、後を引き継いだ菅首相は脱小沢を進めたにも関わ
らず、選挙関連の要職での起用をほのめかすなど、一貫しているとは言い難
い。単に首相の座から降りたくないだけ、と思われても仕方ないだろう。も
はや、どちらか一方が圧勝と言うことはあるまい。親小沢、非小沢の戦いは
民主党にどれだけの傷を残すのであろうか。そして、その傷が癒えることは
あるのだろうか。