自民党谷垣禎一総裁は9日午後、新執行部を発足させる。副総裁に就任す
大島理森幹事長の後任に石原伸晃組織運動本部長を、総務会長に小池百合
子広報本部長をそれぞれ起用することを固めている。谷垣氏は石原氏と会談
し、石破茂政調会長の留任、逢沢一郎衆院議院運営委員長の国対委員長
の起用について最終調整を行うことにしている。政調会長人事をめぐっては、
参院で野党が多数派を握ったことを背景に、参院執行部が参院議員の林芳正
政調会長代理の昇格を求めている。同党は9日夕の臨時総務会で役員人事を
決定した後、新執行部として初の役員会を開催する。役員会では14日投開
票の民主党代表選の動向やその後の政治情勢をめぐり意見交換した上で、秋
臨時国会に挙党一致で臨むことや、次期衆院選に向けて候補者調整を急ぐ
方針を確認する。

 

民主党が熾烈な代表選を繰り広げている中、埋没気味の自民党も新執行部を
発足させることで、少しでも注目を集めたいとの意図が見て取れる。幹事長
に起用される石原氏、総務会長に起用される小池氏、政調会長の石破氏、国
対委員長の逢沢氏はいずれも50代の中堅議員で、これまでベテランが占め
ていた執行部からすれば、若返ったと言えるだろう。秋の臨時国会を前に陣
容を固め、新代表を戴く民主党と対峙する。参院選の結果、参院における議
席は野党が与党を逆転し、いわゆる「ねじれ」の状態に追い込んだことで、
攻める立場としては優位にある。谷垣総裁が指導力を発揮しなければ、如何
に中堅、若手を起用しても機能はしない。挙党一致と言うのなら、それを言
葉だけで無く、確実に実行していくことが重要だろう。