民主党は12日、東京第5検察審査会の議決で強制起訴される小沢一郎元代
表に対し、衆院政治倫理審査会で、自らの資金管理団体陸山会」を巡る政
治資金規正法違反事件について説明するよう要請する方針を固めた。小沢氏
が無罪を主張しているため、処分は見送らざるを得ないが、党として小沢氏
に国民への説明を厳しく求める姿勢を示す必要があると判断した。岡田幹事
長が近く小沢氏と会談し、政倫審出席を求めるとみられる。党幹部は12日、
「野党が政治とカネの問題を取り上げて反発したら、補正予算案や法案が通
らなくなる。まずは国会で小沢氏が対応しなければならない」と語った。民
主党は同日の役員会で小沢氏の処分問題などを議論したが結論を先送りした。

 

腫れ物に触るとは正にこのことだろう。小沢氏の処分を先送りしてしまい、
どちらが処分される側なのか分からない状態だ。「小沢氏が無罪を主張して
いるため」とは言うものの、そもそも裁判が終わるまでは推定無罪ではない
か。岡田氏は「『いつまで』とあらかじめ切って議論するつもりはない」と
述べて、当面、小沢氏の処分はしない意向を示している。野党の攻勢を誘う
格好の材料となりかねないが、当の小沢氏もそのまま党内に居座るつもりな
のだろうか。それにしても、代表選をようやく勝ち抜いた菅首相にとって、
小沢氏の存在は不気味だろう。原理主義者の岡田氏をして、判断を先送りせ
ざるを得なかったのは、小沢グループを脅威に感じてのことか。いずれにし
ても、中途半端な対応しか出来無さそうなのが残念である。