鶴保庸介参院決算委員長は18日午前の同委員会の冒頭、仙谷由人官房長官
に対し、「国務大臣としての品位を汚すことなく、真摯かつ適切な答弁に務
めることを強く望みたい」と要請した。鶴保氏が取り上げたのは、15日の
参院予算委員会民主党政権天下り根絶への取り組みを不十分と批判した
経済産業省の官僚に対し、仙谷長官が「こういうやり方は彼の将来を傷つけ
る」と述べたことなど。鶴保氏は「国会を冒涜する答弁であり、当該政府参
考人に圧力を加えるのではないかとの指摘がある」と述べた。委員長が、他
の委員会での閣僚の答弁を問題視し、注文を付けるのは珍しい。自民党など
野党側は、法律論を長々と述べては追及をかわす仙谷長官への反発を強めて
おり、鶴保氏は野党の委員長として、仙谷長官をけん制した形だ。

 

仙谷官房長官は菅政権の要を自任しているのだろうか。臨時国会では求めら
れてもいないのに、答弁をして時間稼ぎとも言えるようなことを延々と話し、
質問を煙にまくような場面が目立つ。「私は法律家として法廷技術はある程
度のところまで到達したのではないかと自負していた」と自ら語るように、
裁判に勝つための技術を、そのまま国会に持ち込んでいる節すらある。そも
そも、質問されてもいないのに答弁をするのは如何なものか。菅政権の盾に
なろうとするのは勝手だが、それを出しゃばりとも言うのだ。予算委員会
テレビを通じて国民が目にするものであり、仙谷氏のあのような答弁を見て、
どう思うかを考えないのだろうか。それとも、今を乗り切れば良いとの場当
たり的な対応なのか。いずれにしても、民主党の支持率低下は仙谷氏の答弁
がその要因の一つなのではなかろうか。