改造内閣発足後、初の国政選挙となった衆院北海道5区補欠選挙は24日
投開票され、自民党衆院議員で元官房長官町村信孝氏が、民主党新人で
国土交通省職員の中前茂之氏ら4人を破って10回目の当選を果たした。
菅首相率いる民主党は7月の参院選に続く国政選挙での大敗で、今後の政権
運営は厳しさを増しそうだ。補選は民主党小林千代美衆院議員が今年6
月、陣営の選挙違反事件や北海道教職員組合からの違法献金事件の責任をと
り、辞職したことに伴って実施された。町村氏は昨年の衆院選北海道5区で
小林氏に敗れ、比例で復活したが、今回、議員を辞職して出馬した。

 

クリーンさを標榜していた民主党であったが、政治とカネを巡る問題によっ
て、そのイメージは地に落ち、さらには尖閣諸島周辺海域での中国漁船衝突
事件の場当たり的な対応で菅政権への信頼は大きく傾いた。すでに政権交代
と言う熱狂からは国民は醒めている。今回の補選で民主党の候補が敗北した
理由は、町村氏が公明党創価学会票を固めたこともあるだろうが、昨年の
衆院選民主党に投じられた票が流れてこなかったのが最大の原因である。
小林千代美氏が辞職を先送りした理由も、同じく政治とカネの問題が取り沙
汰されていた鳩山氏や小沢氏に責任が飛び火しないようにした、と言う極め
て後ろ向きな党内の都合によるものでしかなかった。敗北必至と悟ったのだ
ろう、菅首相も選挙区入りはせず、ただ敗戦の報を待つのみであった。これ
では戦っている方は報われないだろう。