衆院予算委員会は27日午後の理事懇談会で、政府が衆院に提出した尖閣
島沖の中国漁船衝突事件を撮影したビデオ映像の取り扱いを協議した。政府
民主党日中関係への配慮から全面公開は見送る方針で、非公開の秘密会
で一部議員の視聴にとどまる見通し。民主党は限定公開を提案し、議員の範
囲などについて話し合ったが、結論は出なかった。自民党は理事懇で、まず
理事だけでビデオ映像を視聴し、その上で対応を協議するよう要求した。こ
れに対し、中井氏が「衆参予算委の理事に限定して公開してはどうか」と提
案。各党が持ち帰り再協議することになり、各理事はビデオを見なかった。
政府が同日衆院に提出したのは約6分間のビデオ映像を記録したDVDと、
慎重な取り扱いを求めた那覇地検からの要望書。

 

中国漁船衝突事件を撮影したビデオを巡り、公開する公開しないと与野党
せめぎ合いが続いている。菅政権は日中関係への配慮のため、限定公開とし
たい方向のようだが、それだけ影響のある内容なのかと勘繰りたくもなる。
そんな中、石原都知事が「政府の関係者から聞いた。日本の巡視船の乗組員
が何かの弾みに落ちたのを、中国の漁船(の漁師が)モリで突いてるんだっ
て。それは『側聞ですが』と、数人の人から聞いた。ウソか本当か分からな
いが、その実態を私たちは知る必要があるし、(ビデオ映像を)公開すべき
だと思う。それが、この問題に対する日本人の正当な世論を作っていく」と
テレビ番組で発言したことが物議を醸している。これが事実なら反中感情
沸騰するであろうし、ここまでした中国人を釈放したのは何故か、相当な反
発を招くに違いない。むろん、石原都知事も「側聞」と断ったように、事の
真偽は不明である。真偽を明らかにする気があるのなら、一刻も早い公開を
望むものである。