菅直人首相は2日午後、首相官邸国民新党亀井静香代表と会談し、今国
会での成立を見送り継続審議とする郵政改革法案について、来年1月召集の
通常国会で成立させることを確認した。一方、民主党岡田克也国民新党
下地幹郎両幹事長は同法案に関し、2011年度予算成立後の来年4月中
の成立に向け努力するとした合意文書を交わした。首相と亀井氏の会談では、
今後の政権運営についても意見交換。亀井氏は会談後、「社民党は(仙谷由
官房長官らへの)不信任決議案に反対してくれた。一番頼りにできるとこ
ろを信頼して政治をやるという点で、私と意見が一致している」と記者団に
述べ、社民党の協力を得て衆院で法案の再可決に必要な3分の2以上の勢力
を固め、政権安定を図るべきだとの考えを強調した。 

 

臨時国会で速やかに成立させると合意していたはずの郵政法案だが、国民新
党にとっては合意を反故にされ、さぞ怒り心頭かと思いきや、通常国会での
成立で妥協せざるを得なかったようだ。数の上では圧倒的に少数な上、民主
党が参院選大敗により参院での優位を失い、法案を成立させるのが難しい状
況を打開するには、与党であり続けて社民党を引き込み、衆院で再可決させ
る以外に道は無い。民主党が迷走を続ける中で、国民新党も完全に埋没した
感があった。社民党を引き込むための接着剤となれるかは分からないが、社
民党も一度連立を離脱してしまった以上、そう簡単には戻れないだろう。何
らかの大義が無い限り、社民党のような政党は自らを納得させることは出来
ないのだ。それが何なのかは分からないが、菅首相三顧の礼では無いのは
間違いないところである。