民主党岡田克也幹事長は20日午後の記者会見で、小沢一郎元党代表が菅
直人首相との会談でも衆院政治倫理審査会への出席を拒否したことに関し、
「野党が『政倫審を開いても意味がない』と言っていることもあわせて、ど
ういう道があるのか議論しなければならない。年内もう1度役員会を開くの
で、これから1週間の状況を踏まえて意思決定していくことになる」との見
通しを示した。同日開かれた党役員会については「政倫審に関しては一任を
受けているということを確認した。政倫審に自ら出ること、決定して出るこ
とを、幹事長としてしっかりと対応してもらいたいという話だった」との内
容を明らかにした。離党勧告などの処分については議論にのぼらなかったと
いう。野党から証人喚問を求める声が出ていることについては「民主党が同
調するのは簡単なことではない。偽証罪に問われる厳しいものであり、なる
べく避けたいと思うのは同じ党の幹事長として当然のことだ」と述べた。

 

文字通り平行線に終わった両者の会談だったが、もはや民主党執行部にとっ
ては役員会を開いたところで、結論など出はしないだろう。小沢氏は政倫審
に出ることそのものを意味が無いとしており、招致の議決をしようが無視す
るだけであろう。そのまま無視を決め込んでも、離党勧告の処分を出せない
と踏んでいるのか、いずれにしても追い込まれた側の小沢氏の方が主導権を
握っているような構図になっている。しかし、年明けには強制起訴されるこ
とが決まっている小沢氏も影響力の低下は避けられず、強がりにも見えなく
もない。実際、小沢系とされる議員が執行部の動きに対して反発を強めてい
るのも、党内での権力闘争とも考えられるだろう。そもそも民主党は小沢氏
をどうしたいのか。政倫審に出てもらい、それで終了とするのか、それとも
党から出ていってもらうのか。菅政権は国会だけでなく、党内すらまとめら
れないと言われても仕方が無い状態にあるようだ。