民主党幹部は21日午前、小沢一郎元代表の国会招致問題について、「証
人喚問が必要だ」と記者団に語った。一方、21日午前の民主党国会対策委
員会の会合では、小沢氏を支持する議員から、証人喚問に反対する意見が相
次いだ。国対の会合で、森裕子参院議員は「参院で仙谷官房長官、馬淵国土
交通相の問責決議が可決されたことも大きい」と批判した。辻恵衆院議員は
「小沢氏の証人喚問という報道があるが、どういうことか」とただした。鉢
呂吉雄国対委員長は「20日の役員会で発言が出たに過ぎず、役員会の方針
にはなっていない」と説明した。一方、仙谷官房長官は21日午前の閣議
の記者会見で、小沢氏が菅首相との会談で衆院政治倫理審査会への出席を拒
否したことについて、「再考していただいた方がいい。質問の仕方にもよる
が、政倫審での説明がふさわしい」と述べた。

 

民主党にとって「一兵卒」の小沢氏に振り回されたあげく、結局は先送りを
繰り返して追い込まれていった。そもそも政倫審をアリバイ作りに使おうと
したのではないか。野党がそれで納得したとは思えず、証人喚問を要求され
る事態に陥ったのは間違い無いだろう。だが、物事にはタイミングがあるよ
うに、民主党内がゴタゴタせずに政倫審への招致を決めてさえいれば、ここ
まで問題が大きくなることは無かったはずだ。代表選で民主党内が二分され
たことの影響が未だに解消されていないのだろう。いずれにしても小沢氏が
年明けには強制起訴されるのは確定しており、これを覆すことは出来ない。
むろん、ここまで大事になってしまった以上、民主党側も強制起訴を待つだ
けの選択肢は無くなった。民主党は政策だけでなく、党内も迷走しつつある
ようだ。先送りが如何に問題を複雑にしたか身をもって知ったことであろう。