菅直人首相は23日夜、都内の日本料理店で、民主党の石井一副代表、藤井
裕久元財務相と会談し、政局の焦点である内閣改造をめぐって意見交換した。
石井氏によると、首相は年明けの内閣改造に前向きな姿勢を示したという。
参院で問責決議を可決された仙谷由人官房長官馬淵澄夫国土交通相を交代
させ、辞任のため空席となり、仙谷氏が兼務している法相ポストも含め、人
心一新を図る意向とみられる。会合では、石井氏が「今後の政権運営のため
には『問責』というトゲを取らないといけない」と述べた。自民、公明両党
など野党各党が、仙谷氏が官房長官にとどまるなら、1月後半に予定されて
いる次期通常国会の審議には冒頭から応じないとの姿勢をみせていることを
受け、石井氏らは早期の改造を求めた。これに対して首相は「いい意見だ」
と述べたという。

 

支持率を浮揚を狙った内閣改造なのだろうが、今の顔ぶれになってから半年
も経っていないではないか。仙谷官房長官と馬淵国土交通相は問責決議を可
決されているため、交代させる名分はあるものの、人心一新との言葉だけで
改造をすべきとは思えない。改造によって難局を乗り切ろうとするのは、政
権末期の下策であり、決して国民のためではない。参院を野党が押さえてい
る以上、今後も問責決議を可決される閣僚は出てくるであろう。今の民主党
の場当たり的な対応を見ている限り、支持率が浮揚することも考えにくい。
国民的人気のある議員もおらず、客寄せパンダの役割すら果たせない。人心
一新と言うのなら、菅政権の総辞職も視野に入れるべきではなかろうか。