菅直人首相がたちあがれ日本に対し、民主、国民新両党による連立政権への
参加を非公式に打診していたことが24日、分かった。来年1月召集の通常
国会に向けて、政権基盤を強化するのが狙い。ただ、たちあがれ日本の中で
は連立参加に否定的な意見が強く、実現は難しいとの見方が広がっている。
たちあがれ日本は27日、議員総会を開き、首相からの打診について協議す
る。同党は「結党趣旨」の中で、「打倒民主党」を掲げていることから、菅
政権への協力は有権者の理解が得られないとの立場に傾いている。園田博之
幹事長は24日、都内で記者団に「あり得ない。ふざけた話だ」と述べ、連
立参加に反対の意向を表明した。首相は24日「いろいろな方と意見交換し
ている。ただ、何か正式に申し入れたという形になっているとは承知してい
ない」と述べ、たちあがれ日本に非公式に働き掛けたことを事実上認めた。

 

社民党にラブコールをしたと思いきや、今度はたちあがれ日本とは、菅首相
の節操の無さには呆れるばかりだ。打倒民主党を掲げる政党と連立を組む、
何とも珍妙な話である。たちあがれ日本と連立を組んだとしても、再可決に
必要な3分の2には達せず、さらに他の政党を連立に引き込まなければなら
ない。たちあがれ日本は全員が閣僚か政府高官経験者であるものの、小政党
は小政党である。数がものを言う政界において、菅首相が期待するほどの実
力は発揮出来ないのではないか。そもそも、このような野合が国民に理解さ
れるわけもなく、民主党たちあがれ日本の両党にとって良い結果とはなら
ないだろう。今回の連立打診がうまくいこうがいくまいが、政権末期の様相
を呈してきた状況なのは間違い無い。何でもありとはこのことだろう。こう
言った動きが出始めると政権そのものが揺らぎ始めるのは時間の問題だ。