菅直人首相と民主党小沢一郎元代表が年明け早々角を突き合わせた。双方
とも1日に党所属議員に踏み絵を迫るように新年会を開催。首相が「権力掌
握」を目指すと意気込めば、小沢氏は「挙党一致」を主張した。小沢氏の新
年会に出席した国会議員は120人と首相側の45人を大きく上回り、数の
力をみせつけた。首相は試練の日々が続きそうだ。ただ、小沢氏は1月にも
政治資金規正法違反事件で強制起訴されるため、民主党内から離党を迫る声
が強まることも予想される。国会招致問題も含め厳しい立場に変わりはない。

 

就任から迷走し続けてきた菅政権、その原因の一つは党内を二分した代表選
にあったのではないか。代表選後はノーサイドと言いながらも、脱小沢・反
小沢を押し進め、党内の対立が深刻化した。もはや修復の余地は無さそうだ
が、強制起訴を控える小沢氏が不利と言えば不利だろう。むろん、国会運営
がままならない菅首相も立ち往生すれば、政権の維持すら困難になる。今春
統一地方選では民主党の苦戦が予想され、それまでに首相の顔を挿げ替え
たい、との動きが出てくるかもしれない。踏み絵のようなことをしていては、
迫られた側にとっては不愉快なことであろうし、忠誠心を試されているよう
で、何ともやりきれない思いではなかろうか。