菅直人首相は13日、たちあがれ日本与謝野馨共同代表を14日に断行す
内閣改造で、政府の要職に起用する意向を固めた。税と社会保障担当の特
命相、厚生労働相などの閣僚か首相補佐官での処遇が検討されている。与謝
野氏は受諾する方針で、13日午前に離党届を提出した。与謝野氏は官房長
官や財務相など閣僚経験が豊富で官僚からの信頼も厚い。首相は消費税率引
き上げを含む税制と社会保障の一体的な改革を担当できる人材として起用に
踏み切ることにした。与謝野氏は昨年末、同党の連立政権入りに向け首相ら
と協議を進めた。しかし、党内で反対意見が相次ぎ断念した経緯がある。

 

与謝野氏はたちあがれ日本を離党し、菅政権に協力する立場を明らかにした
が、果たしてうまくいくだろうか。政策通として知られる与謝野氏が入閣し
ても、十分に力を発揮させることが出来るかは、微妙なところではないか。
民主党政権は各閣僚が勝手に発言をし、迷走を加速させた「前科」がある。
税制と社会保障の一体的な改革を与謝野氏に任せるのなら、菅首相を始めと
した閣僚が余計な口を出さないことが必要だろう。与謝野氏は「財政の健全
化や社会保障などに取り組まれており、そういう考え方では、民主党とは大
きな流れでかなり共通性は高いと認識している」と話しているようだが、巨
額の財源が必要とされる子ども手当など、いわゆるバラマキと批判される政
策を続ける民主党と共通性が高いとは思えない。財政の健全化と社会保障
一体的な改革、今の民主党と組んで与謝野氏が実行出来るか、注視したい。