与謝野馨経済財政担当相は14日夜の就任会見で、税と社会保障の一体改革
について「この10年来、私が心血を注いできた仕事。関係者は多数いるの
で、一歩ずつコンセンサスづくりに努めたい」と語り、改革の実現に強い意
欲を示した。与謝野氏の入閣を巡っては、「民主党政権を批判してきたのに
政府入りするのはおかしい」との批判が与野党から上がっている。同氏は「
財政規律の回復を自民党時代から申し上げてきたが、財政の悪化を食い止め
ることはできなかった」と述べ、積み残した課題に取り組む考えを強調。「
参院選前に菅直人首相が消費税に触れたことを意気に感じ、閣僚に就任した」
と、入閣を決意した理由を語った。

 

菅首相が税と社会保障の一体改革の舵取りを、これまで民主党を厳しく批判
していた与謝野氏に託したことは党内外で波紋を呼んでいる。特に同じ選挙
区で戦ってきた海江田氏は、経済財政担当相から経産相に横滑りさせられた
だけに、忸怩たるものがあるだろう。外様の与謝野氏が、果たして税と社会
保障の一体改革にどれだけ取り組めるかは疑問だ。与謝野氏は「民主党が日
本経済を破壊する」と言う本を書いたことがあるように、民主党の看板政策
をことごとく批判してきた。氏の主張によればそれらの政策を撤回しないこ
とには、財政の悪化を食い止めることは出来ないはずである。どう財政の悪
化を食い止めるのかを具体的に聞きたいものだ。まずは、民主党の看板政策
を維持するのかしないのか、そこからだろう。